前回は、削減した企業の事例や、固定電話料金を削減するアイディアとして「既存サプライヤーとの価格交渉について」ご紹介をしました。今回は、「新規サプライヤーへの切り替え」「固定電話内線化」といった方法について詳しくみていきましょう。
②新規サプライヤーへの切り替え
具体的なコスト削減アイディアの2つ目は「新規サプライヤーへの切り替え」についてです。相見積もりを取ってサプライヤーマネジメントを行うことで固定電話料金を削減する方法となります。例えば、「ひかり電話」、「オフィスライン」、「KDDIダイレクト」、「おとくライン」、「オフィスeo光」などのサプライヤーがありますので、比較検討してみてください。
③固定電話内線化
3つ目の方法は、携帯電話を内線化する方法です。携帯電話を内線化することで社内間の通話や事務所の電話機との通話が無料になり、通信料金の削減につながります。
以下の図からも、固定通信が減少傾向にある一方で、携帯電話等の移動通信は堅調な伸びを示していることがわかります。このことは、2016年から話題になり始めた「働き方改革」や2020年以降のコロナ禍による在宅勤務が影響していると考えられます。
固定電話を廃止し、携帯電話内線を採用している企業は増えています。メリットは以下のような点があげられます。
・オフィスに縛られることなく、自宅or外出先でも電話に出ることが出来る
・固定電話の廃止によってコスト削減できる
・事業の組織変更に柔軟に対応できる
・工事コストの削減ができる
また、ビジネスシーンでも多くの人々がスマートフォンを使用し、全ての電話業務をスマートフォンで行う企業も増えてきています。
携帯電話を内線化する方法
ここからは携帯電話を内線化する方法を4つご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
■IP-PBX
IP-PBXは現在主流のPBX(構内交換機)として多くの企業で導入されています。従来のPBXと同様の機能が利用できますが、インターネット回線を利用するため電話線を引く必要がありません。
クラウドPBXとIP-PBXの明確な違いは、サーバーをクラウド上に設置するか、自社内に設置するかの違いです。
・IP-PBXは事務所に設置する必要があるため、ある程度の初期構築費用がかかる
・自社専用設備としてカスタマイズがしやすいのがメリット
■クラウドPBX
クラウドPBXはオフィスに設置するPBXをクラウド化して通話を行うというものです。
・インターネット環境があれば利用できる
・スマートフォンにアプリをダウンロードするだけで利用を開始できるため、初期費用もおさえられる
・回線の増減もブラウザから簡単に実施することができ、メンテナンスもベンダーに任せておけるため手間がかからない
例えば、ひかりクラウドPBX(NTT東日本)のようなサービスがあります。
■FMC
FMCサービスは、固定電話とモバイル端末を融合させることで、登録されているオフィスの固定電話とモバイル端末との通話を内線として利用できるサービスです。
・スマートフォンを固定電話の子機のように利用できることから、非常に利便性が高い
・既存のPBXをそのまま利用できるため、導入コストも抑えられる
■IP電話
モバイルチョイス(楽天コミュニケーションズ)のようなIP電話サービスを利用すれば法人携帯電話の支給も不要になるため、大幅なコスト削減が期待できます。
モバイルチョイスは以下の特長を持ったサービスです。
・社員個人の携帯電話端末をそのまま業務用に使え、2台持ちの必要無し(法人携帯の貸与は不要)
・ビジネス専用に別番号(050)を持てるため、プライバシーも安心
・法人携帯貸与が不要なため、法人携帯のコストを削減(会社の負担は通話料のみ)
コスト削減効果は?
◆インパクト:大 中 小
◆難易度:★☆☆☆☆
◆効果発現時期:短期 中期 長期
いかがでしょうか。最近ではスタートアップ企業などでは、はじめから固定電話を導入しないケースも増えてきています。通信手段やコミュニケーションの手段が多様化している現代において、企業専用の固定電話の必要性は減ってきているといえます。今回ご紹介した固定電話料金を削減するためのさまざまな方法を参考にコスト削減を目指してみましょう。