実は、携帯料金はすぐにコスト削減できる間接費の1つです。「長期間契約内容を見直していない」「なんとなくのプランで法人契約をした」という方は、大きな損をしているかもしれません。コスト削減に取り組むだけで、現在かかっているコストを「半額以下」にできる可能性があります。
今回は、携帯料金のコスト削減について、どのような方法で実現できるのかご紹介します。
2019年10月1日から、料金プランの複雑さの解消・携帯電話の料金値下げに向けて、「電気通信事業法の一部を改正する法律」が施行されています。
改正電気通信事業法では、「携帯大手各社の通信料金と端末料金の分離の義務付け」「端末の割引は上限2万円」「定期契約の違約金は上限1,000円」などが定められ、他社に乗り換えやすくなったり、期間拘束のないプランを選びやすくなるので、携帯電話料金のコスト削減においてはメリットです。低料金プランによる携帯料金競争がますます激化しています。
携帯料金の削減には今すぐ取り組めるものから、コストや手間はかかるけれど、抜本的に削減が可能なものまで、2つのコスト削減方法があります。
相見積もり、価格交渉
法人携帯料金の計算方法はいたってシンプルで、「台数 × 端末料金」で算定されます。
携帯電話会社への相見積もりで、複数の携帯電話会社から直接見積もりを取って比較したり、
契約台数が多いのであれば、1台当たりの単価を下げるなど、交渉の余地があります。
満足いくまで比較して最善手を検討できることがメリットですが、交渉から契約まですべて自社で行うために時間と手間がかかる点がデメリットです。
各企業の使用台数に応じて適正価格は異なるため、まずは自社が今どのサプライヤーにどのくらい携帯電話料金を支払っているのか、
どのようなプランでの契約をしているのか、自社の携帯電話の利用状況を把握するようにしましょう。
◆台数
携帯電話の台数は、企業の人数規模ごとにある程度決まっています。そのため、台数のコントロールによる大幅なコスト削減は困難であるといえます。
◆端末料金
1台にかかる端末料金は、基本料金 + 通話料金 + 付加サービスの合計で算定されます。利用するサービス・交渉状況によって単価が異なるため、削減の余地があります。
◆利用状況
部署ごとに異なると思いますが、おおまかに以下の3つのパターンに分けます。
・社員同士での通話がメイン
・取引先との通話がメイン
・通話以外のサービスを利用しない
このような台数・料金の把握、パターン分けを行うことで、複数のサービスから自社に最適なものを選ぶことができるようになります。
契約の判断材料になるため、交渉をする前に、まずは自社の利用状況を必ず把握するとよいでしょう。
MVNOの利用
MVNOは、「Mobile Virtual Network Operator」の略称で、日本語では「仮想移動体通信事業者」と呼びます。
NTTドコモなどの大手携帯電話会社から通信回線を借り受け、通信サービス料金の安い「格安SIM」を提供している事業者のことです。
無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する業者であるMVNOを利用して、
たくさんのサービスから自社の使い方に合ったものを選べるので、携帯料金の大幅なコスト削減が期待できます。
新規事業者の参入も相次いでいますが、ここでは、主要の事業者を2社ご紹介します。
<OCNモバイルONE>
OCNモバイルONEは、NTTグループの格安スマホです。
全国80,000以上あるWi-fiスポットでWi-fiが無料で使えます。
◆特長
・「低速モード」でも最初の読み込みは拘束であるため、「低速モード」でもストレスをあまり感じない
・10分かけ放題、トップ3かけ放題、かけ放題ダブルの3つのかけ放題プランから選べる
・日単位コースで契約すれば制限がかかっても翌日には解除
◆利用プロセス
①準備
クレジットカード、本人確認書類、MNP予約番号を準備
②申し込み
必要な情報をアップロード
③受取(設定)
スマホとSIMカードの受取
<楽天モバイル>
楽天モバイルは、2019年10月1日より携帯キャリア事業としてのサービスへの受付を開始した注目のサービスです。
◆特長
・余った高速データ通信容量は翌月に繰り越し
・固定費0円で、国内通話料が半額になる楽天でんわ10円(税別)/30秒
・月額850円で5分以内なら何度でもかけ放題
◆利用プロセス
①申し込み
WEBサイトから申し込み、見積書の作成も可能。
②申込書の記載・郵送
申込書の必要事項を記載、必要書類(法人確認書類原本、ご担当者様在籍、本人確認書類)を同封して郵送。
③審査後申し込み完了
申込書を法人担当が審査後、申し込み完了。
④口座振り込み手続き、利用開始
申し込み商品に口座振替の申込書類を同梱して発送。必要事項を記入の上で返送する。
コスト削減効果は?
◆インパクト:大 中 小
◆難易度:★★☆☆☆
◆効果発現時期:短期 中期 長期
いかがでしょうか。
今回は、明日からすぐに実践できるコスト削減として、携帯料金を削減する方法をご紹介しました。台数が多かったり、長期間見直しをしていないとコスト削減のインパクトが大きくなります。ぜひこの機会に取り組んでみてください。