仕事をする上で必ず用意する必要があるPC。法人向けパソコン(PC)は、必要とする機能だけを搭載することで、使いやすさを向上させています。個人向けPCより値段が高いですが、PC費用の大部分を占める購入費用などの機器代金を見直すことで削減できます。

そこで今回は、スペックや利用形態の見直しといったの打ち手について詳しくご紹介します。

スペックの見直し

まずは、必要な機能を役職・部門・人などで分けて考えます。必ずしも全社員が同じ機能を備えたPCを使う必要はありません。たとえば、以下の部門(人材)に求められるPCの機能は全く異なってきます。

  • 営業、一般事務
  • ITエンジニア
  • Webデザイン・画像編集

PCにおける要件の項目例は以下の通りです。

  • OS:Microsoft WindowsやmacOSなど複数の種類が存在
  • プロセッサ周波数の高さ(GHz):高いほど単位時間内により多くの処理が可能
  • メモリ(GB)
  • ストレージ容量(GB)
  • モニターのインチ数

上記のような項目を参考に整理をし、各部所が必要とするスペックを別々に検討してみてください。オーバースペックだと判断できるものは見直しをかけるとよいでしょう。

利用形態の見直し

次に、企業がPCを調達する際、大きく「購入」「リース契約」「レンタル契約」の3つのパターンがあります。それぞれの契約パターンで以下のように費用のかかり方が異なります。

  • 購入:「購入費用(機器代金)」+「保守費用」
  • リース:「月額費用(機器代金)と手数料」+「保守費用」
  • レンタル:「月額レンタル料金(機器代金)」

購入は一括で費用がかかり、リースやレンタルは月額で費用が掛かるという違いがあります。それでは、ここからはレンタル・リースを利用するときのメリットデメリットや、中古PCを利用するときのメリットデメリットについてみていきます。

初期費用を抑えたいならレンタル・リースで契約する

新品のPCを一括で購入するのもひとつの方法ですが、イニシャルコストを抑えるのであればレンタルやリースという方法を選択するのもおすすめです。

<メリット>

パソコンをレンタルやリースで契約する最大のメリットは、やはり初期費用を安く抑えられるということが挙げられます。特に資金に余裕がない中小企業やスタートアップ企業の場合、運転資金に余裕をもたせるためにはレンタルやリースで毎月少額のコストを拠出したほうが安定的な経営につながります。

<デメリット>

パソコンを長期で使用する前提で考えると購入したほうが安い場合もあります。特に高額なワークステーションなどの場合は1年や2年で買い替えをするのではなく、4年、5年と使い続けることが多いです。そのような長期的な目線で考えたとき、やはり一括で購入したほうがトータルの費用としては安くなります。

より価格を抑えるなら中古の選択肢も

さらに価格を抑えたい場合は、「中古」も視野に入れて検討することもできます。

<メリット>

中古パソコンの最大のメリットは価格の安さが挙げられます。新品価格の2割引、3割引はもちろん、中には半額に近い価格で販売されているものも多く、予算に応じて選ぶことができます。

パソコンは1年前、2年前のスペックでも十分使えるにもかかわらず、型落ちという理由だけで大幅に安くなることが多い製品です。新品にこだわらないのであれば、中古PCを選ぶメリットは大きいといえるでしょう。

<デメリット>

中古PCを選ぶデメリットとして大きいのは、保証の内容です。新品であればリースやレンタル期間に応じて保証期間を延長できる場合が多いですが、中古PCの場合はそのような個別の延長保証には対応できないことも少なくありません。自社の用途と保証の内容をしっかりと確認した上で、判断する必要があります。

コスト削減効果は?

◆インパクト:大  小
◆難易度:★☆☆☆☆
◆効果発現時期:短期 中期 長期

いかがでしょうか。部門によっては機能を厳選した少し安めの製品に変えるなど、コスト削減のために目を付けるべき方法はいくつかあります。短期的に効果も出せるため、「PCは必要なものだから・・・」とコスト削減を諦めてしまう前に、見逃している視点はないか確認してみましょう。

次回は、PC費用の機器費用の価格交渉と保守費用のコスト削減方法についてご紹介します。