多くの企業で発生している費用の1つに、外注費(アウトソーシング)があります。
人材不足や業務量過多に悩んでいる組織にとって、一部の業務を外注化することはメリットがあります。しかし、むやみに外注化すると、内製化した時よりもコストが嵩んでしまいます。必要最小限の業務を最適な費用で取引できているか、定期的に確認する必要があります。今回は、アウトソーシングのメリット・デメリットや、外注費のコスト削減を考えるポイントをご紹介していきます。
外注費とは
外注(アウトソーシング)費とは、外部の法人や個人に対して、自社の業務を外部に委託した場合に必要なコストの総称です。
以下、企業が外注を検討する業務として、代表的なものを挙げてみます。
- 経理・給与事務・法務などのバックオフィス業務
- WEBサイト制作・運用業務
- デザイン制作業務
- コンサルティング業務
- データ入力業務
- コールセンター業務
- 採用・研修業務
- IT・ヘルプデスク業務
アウトソーシングのメリット・デメリット
<メリット>
・社外の高い技術・知見・専門性を活用できる
・固定化してしまっていた人件費の削減
・基幹(コア)業務に集中することが可能
例えば、スタートアップ・ベンチャー企業や中小企業の場合、経理や給与計算のできる社員を育てたり、雇ったりするのは手間がかかり、費用もかかります。会社を成長させるためには、こうしたコアではないが、専門性が必要な仕事はアウトソースし、社員はもっとも重要な仕事に集中するということが考えられます。
また、宿泊業や飲食業など繁忙期が決まっている業態は、外部の専門家リソースを活用することで、「必要な時に、必要なリソース・サービスを、必要な分だけ」調達することで、臨機応変に対応し、競争力を向上させることが出来ます。
<デメリット>
・コストアップ
・知見を蓄積することができない
・マネジメントに工数がかかる
・機密事項の漏洩リスクがある
・業者選定のリードタイムやミスマッチのリスク
専門的な業務は社内では適正コストの判断ができない場合があり、蓋を開けてみたら費用対効果が悪くなってしまうこともあるため注意が必要です。
外注費のコスト削減を考えるポイント
①業務プロセスのフローチャートを作成する
まず対象とするプロセスを定義します。どの範囲のプロセスを対象に見直しをするのかを明確にし、着手すべきポイントを可視化します。その上で、細かく可視化された業務内容を全体のプロセスの中に組み込み、フローチャートを作成します。その上で、フローチャートから見えてきた無駄なプロセスをまずは削除したり、プロセス全体でみて効率的な業務に変えてあげましょう。
②依頼内容を明確にする
外注する際に、取引先に対してわかりやすい指示を出すことは、業務をスムーズに進めるために必要不可欠です。依頼業務内容はもちろんのこと、留意点などを事前に伝えることで、適切なコミュニケーションが可能になります。また、業務内容が明確になっていることで、見積価格も正確に出してもらえることが多いです。
③価格交渉をする
要件を明確にした上で、依頼業者をリスト化し、相見積もりを取るなどして価格交渉をしていきましょう。価格交渉は、単に値段が下がればいいというものでもありません。取引先と、中長期を見据えた関係性をつくりながら、良い条件を獲得することが求められます。
コスト削減効果は?
◆インパクト:大 中 小
◆難易度:★☆☆☆☆
◆効果発現時期:短期 中期 長期
外注費は、勘定科目単位だと一見中身がわかりづらく、削減しにくい費用のように感じますが、一方で無駄なコストが発生しやすい費用の1つでもあります。この機会に皆さんの企業でも、外注費を見直して見てはいかがでしょうか。