みなさんは物事を取り組む際に、KPIを設定しますか?
コスト削減に取り組む際に多くの方が悩まれるであろう「KPIの設定の仕方」、、
ノウハウがなかなか見つけられず、悩みのタネとなりやすいです。
今回は、押さえておきたい基本的なKPIについて解説します。
コスト削減に欠かせないKPIの重要性
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、目標を達成するプロセスでの達成度合いを計測したり監視したりするために置く定量的な指標を意味します。計画を実行する前に現実的な目標を設定することは何事においても大事となりますが、コスト削減においては特に重要となります。
コスト削減で最も重要なのは「PDCAサイクルを継続すること」です。
計画をする際にKPIを設定し、実際に仮説を元に施策を行い定期的に成果をモニタリング、定量的に考察することで建設的な見直しが可能になり、コスト削減の継続に繋がります。
KPI設定前に支出を見える化
初めて支出分析をする方は、KPIを考える前に、まずは自社の支出状況を正確に把握する必要があります。
まず最初に見える化すべき切り口が以下の3つです。
1.何を(Category)=費目
2.どこから(Supplier)=取引先
3.誰のために(Unit)=組織・人
まず最初は、「切り口あたりの支出金額」を算出し、カテゴリごとの支出を把握していきます。
1.費目(Category)あたりの支出 (Spend/Category)
2.取引先(Supplier)あたりの支出 (Spend/Supplier)
3.組織・人(Unit)あたりの支出 (Spend/Unit)
上記を算出することで、簡便かつより具体的なKPI設定が可能になります。
例えば、「来期までに15%のコスト削減をする」といった漠然とした設定ではなく、「来期までに従業員一人あたりのタクシー費を10%削減する」「来期までに営業部署あたりの電気代を5%削減する」といったKPI設定をすることができます。
ただし、費目によってはコスト構造の違いやベンチマークの有無、取引構造の違いなどの特性があるので、これらを踏まえた目標設定をすることが大切です。
発展的なKPI管理方法
海外のグローバル企業や日本企業で注目されているコスト削減アプローチの一つに「ZBB(ゼロ・ベースド・バジェッティング)」があります。
ZBBとは、前年度の予算をもとに次年度の予算を策定するのではなく、ゼロベースで毎年予算を立て直すことで、本来あるべき予算策定を実現し、結果として無駄なコストを削減することに繋げる手法です。予算作成に手間のかかる反面、非常に大きなコスト削減が可能となります。
「来期までに従業員一人あたりのタクシー費を10%削減する」という前年を基準とした目標設定ではなく、「来期のタクシー費適正予算は〇〇円」「四半期時点での部門別平均タクシー費は△△円を目指す」といった、本来あるべき理想的な支出状況から逆算した目標設定・KPI設定を行います。
この考え方を導入することで、貴重な原資を無駄にせず、優先順位の高い事業に予算を効率的に配分でき、企業の成長、利益の拡大を実現します。基礎的な目標設定・KPI設定が理解できたら、ぜひ取り組んでみたいアプローチの一つです。
コスト削減効果は?
◆インパクト:大 中 小
◆難易度:★★★☆☆
◆効果発現時期:短期 中期 長期
コスト削減におけるKPIについてご紹介してきました。
目標に対して適切にKPIを設定し、PDCAサイクルを継続することで、コスト削減に取り組んでいきましょう。