電気料金はコスト削減できるインパクトの大きい間接費の1つです。ほぼすべての企業で削減余地があるため、コスト削減を検討されている企業様にはすぐに着手をしてほしい分野です。

前回は、主に以下の4つのコスト削減方法があるとお伝えしました。中でも、見積もり代行・リバースオークションサービスの活用についてご紹介をしました。

  1. 相見積もり・割引率の価格交渉
  2. 見積もり代行・リバースオークションサービスの活用
  3. 省エネ機器の導入
  4. 省エネ補助金・助成金の活用

今回は、省エネ機器の導入と、補助金の活用について、ご紹介します。

省エネ機器の導入

消費電力は、電力の消費効率がよいものへ切り替えることで抑制することができます。具体的には、人感センサーを搭載したり、電球をLEDランプや蛍光ランプに取り替えるだけでも、省エネが実現できます。照明や空調、給排水、冷蔵・冷凍設備等の機器入れ替えを行う際は、次の2ステップで実施します。

SETP1. 省エネ機器の導入によるインパクトの試算

こちらは、省エネコンサルティング事業を行っている企業など専門機関に依頼することがよいでしょう。試算をする際には、前回もお伝えした「コストの見える化」がまず初めに必要になります。現行の利用状況の収集(月次の利用量・単価など)を行っておきましょう。

SETP2. ROIを比較し、導入可否を検討

ROI とは、「Return On Investment」の略称です。日本語では「投資収益率」や「投資利益率」とも呼ばれ、その投資でどれだけ利益を上げたのかを知ることのできる指標のことを指します。このROIの数値が高ければ高いほど、うまく投資ができているといえます。ここでいうReturnは省エネによる期待効果、Investmentは設備導入コストとなります。

省エネ補助金・助成金の活用

国や地方自治体の補助金・助成金や支援の仕組みを活用することもできます。例えば、既存設備を省エネルギー性能の高い設備に切り替え、エネルギー使用量を計測・蓄積できる装置を設置した場合、補助金が出る場合があります。

<省エネルギー投資促進に向けた支援補助金>

事業者の更なる省エネ設備への入替を促進するため、「先進設備・システム」、「オーダーメイド型設備」の導入を支援しています。また、汎用的な設備(ユーティリティ設備・生産設備)については、簡易な手続きで申請可能な申請区分も用意されています。

出典:経済産業省

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<省エネお助け隊>

「省エネお助け隊」とは、経済産業省資源エネルギー庁の「地域プラットフォーム構築事業」で採択された地域密着型の省エネ支援団体のことです。中小企業等の省エネ取組に対して現状把握から改善まできめ細やかなサポートを行っています。費用の1割程度の負担で利用できます。

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コスト削減効果は?

◆インパクト:大  小
◆難易度:★☆☆☆☆
◆効果発現時期:短期 中期 長期

いかがだったでしょうか。本腰を入れて取り組もうと思っても、自社の人員では多忙で対応できないといったことや、専門的な知識がないので補助金の活用は難しいなどの問題が出てきます。その際は、専門のコンサルティング会社などを探してみるのもいいでしょう。

前回に比べると、中長期的な施策になりますが、比較的インパクトが大きく、省エネによるランニングコストの削減は、温室効果ガスの削減につながり、脱炭素推進にも効果的ですので、ぜひこの機会に取り組んでみてください。