前回、オンプレミスからに移行するとコスト削減ができる可能性があることをお伝えしましたが、気づいたらコストが膨らんでいたということがあります。今回は、クラウドサービスを利用しているけど、費用があまり変わっていない場合に見直す2つのポイントをご紹介します。
見直すべき2つのポイント
◆使っていないサーバーの停止・ダウングレード
まずは、使っていないサーバーの停止です。複数のクラウドサーバーを使用する「マルチクラウド」を用いている企業では、1つのクラウドを運営する場合と比べ管理が煩雑化します。そのため、ある業務の目的が終了したあとも、インスタンスを起動したままになっていたりします。起動と停止がスムーズにできるようなシステムを構築することで、速やかにサーバーの停止ができるように管理しましょう。
次に、使っていないサーバーのダウングレードです。定期的に他のクラウドで同じ業務ができないかなど、条件をきちんと洗い出してみましょう。複数のノウハウが必要となるマルチクラウドでは、同じ業務を違うクラウドで行っている場合があります。ノウハウを共有することで、サーバーごとの必要なスペックが見え、ダウングレードする判断にも繋がります。自社の規模に応じて必要最小限のスペックのクラウドサーバーを用いましょう。
◆サーバーの価格適正化
クラウドサーバーは初期費用が小さいため、自社に見合わない高スペック付属機能を追加して契約をしてしまってるケースも多いです。システムの最大使用量をベースにプランを設定している場合、このような状況になりやすいと考えます。これらのサーバーの価格を適正化するためには、①必要なサーバーの業務内容把握と②他のクラウドでの相見積もりという2つのステップが必要になります。
【STEP① 必要なサーバーの業務内容把握】
サーバーのネットワーク構築の際、サーバーの管理者が必要です。管理者が、Webサーバー、CPU、ストレージ、データの転送量、ロードバランサー等それぞれどの程度使用するのかということを把握しておかなければいけません。
【STEP② 他のクラウドでの相見積り】
現在の業務内容をベースに相見積りを取りましょう。クラウドの見積もりは、各クラウドサービスがTCO(総所有コスト)計算ツールを提供しているので、活用しましょう。計算ツールを活用することで、具体的にどのくらいのコストが削減可能なのかがわかります。また事業者に直接問い合わせて確認をすることも大切です。契約内容、契約期間、ディスカウント制度、前払いによる割引など、詳細部分を確認することで、より適切な見積りが可能です。
コスト削減シュミレーションに活用できる計算ツールをご紹介
主要なクラウドの計算ツールは以下です。
◇AWS コスト計算ツール
サーバーの詳細設定を入力することで、AWSを用いた場合、3年間でどのくらいの総コストが削減できるのかといったレポートを入手することができます。
◇Azure コスト計算ツール
詳細設定を入力後、提示された前提条件を確認します。Azureを用いた場合、5年間でどのくらいの総コストが削減できるのかといったレポートを入手することができます。
コスト削減効果は?
◆インパクト:大 中 小
◆難易度:★★☆☆☆
◆効果発現時期:短期 中期 長期
いかがでしょうか。クラウドサーバーには数々のメリットがありますが、企業規模や契約条件によりデメリットにもなり得ます。使用分以上にクラウドサーバー費を払ってしまってる、ということがないように、定期的に自社の企業がどのくらいの頻度でクラウドサーバーを用いているのか状況を把握するなど、定期的なモニタリングやスペックの見直しをしましょう。自社内にリソースがない場合は、クラウドコンサルティングサービスを利用することも検討すると良いでしょう。